では、 実際に研修の効果測定を試みた、あるプロジェクトの一部をご紹介したいと思います。
お客様の事例になりますので具体的な数値は省いておりますが、大枠は感じて頂けるように情報をご提示いたします。
縦軸が360度アンケート結果の平均をとった受講者数、横軸が4点満点と置きました。この場合の表記は散布図が正しいと思いますが、それでは非常に見づらくなってしまったので棒グラフで表現します。
①研修前のアンケート結果
研修受講者を対象に、研修前に上司部下の皆さんに答えて頂いたアンケート結果が①です。
2.0~3.0の間で、のべ~っと万遍なく棒グラフが連なっています。
では、研修が終わった一か月後、どの様な結果になったでしょうか。
②研修後のアンケート結果
明らかに波形が変わり、2.5~3.0の間の評価をつけてもらった受講者が非常に多くなったように見えます。
③before→afterの比較
この二つのグラフを重ねてみました。
2回目の結果を示しているの青の山が、⊿(デルタ:中央値の変化量)分だけ、全体的に動いているよう見えます。
即ちこれが、研修後一か月で受講者全体が⊿だけ行動が変化した、と周囲が評価した結果です。
(一人ひとりではない、というのがミソ)
如何だったでしょうか?
受講者の研修後のアンケートやテストだけではなく、”行動変容”(カートパトリックのレベル3)という軸での研修効果の実例でした。
以前のブログに記載をしたように、厳密性・多様性・再現性のカベがあることは事実です。ただ、そこにつまづいていては何も議論が始まらないと思います。その不確かさを認識したうえで、研修を受講した皆さんを一つの”カタマリ”としてみたときのbefore→afterは、研修効果の一つの側面を表現している、と私は捉えています。
この効果測定の方法は非常にシンプルです。解析面で面倒な部分は少し有りますが、研修ベンダーやコンサルタントに依頼をしなくても人事の皆様で実施していただけるものと思います。
心の声:ご不明な点がございましたら、お気軽にお声がけください♪
さてさて、結果はさらっと書きましたが、ここまで来るのは少し大変でした。私が今まで経験した効果測定の少しのコツや気にかけておくべきこと、検討課題や今判断がつかないことなどは、次回以降数回に分けてご案内いたします。